my bloody valentineサウンドをつくる ー おうちでマイブラ!魅惑のシューゲイザーギターサウンドの秘密を徹底解剖します!
#13 my bloody valentineサウンドをつくる
今回は特別編と称し、おうちでmy bloody valentineを再現するという企画をお送りしました。サウンドをお聞きの通り、割と近いところまで迫れたのではないでしょうか。
動画の補足
①アーミングについて
アーミングに関しては、ケヴィン自身が「アーミングはエフェクターのひとつだ」と言ったとか言わなかったとか。
こちらに、ジャズマスターについてケヴィンが語っている興味深いインタビュー記事がありますので、ぜひご覧ください。
つまり、シンセのピッチ変化をギターに求めた結果、自ずとジャズマスターが選ばれた、というわけでしょうか。
②ドライな歪みについて
どうしてもシューゲイザーサウンドと言うと、リバーブやディレイやモジュレーションといった、空間系に焦点が当てられがちです。確かに空間系が生み出す強烈な浮遊感は必要不可欠です。
しかし、ことMBVに関しては、ドライな歪みを多用しているという点について、触れないわけにはいけません。
例えば、屈指のノイズ曲、『You Made Me Realize』はイントロからザクザクとしたバッキングギター(with アーミング)が鳴り響きます。ほとんどリバーブ感はありません。
Isn't Anything期のMBVは、割とガレージ・ロックのような手触りを有していることも大きな特徴です。
ちなみに私自身、幸運なことにMBVのライブは2度体験することができていますが、ケヴィンのギターは意外と「ギャリンッ!!」と鋭い金属的な響きをもっていたのが忘れられません。
MBVサウンドを目指すなら、まずはドライなサウンドにこだわってみたいところです。
③リバース・ゲートについて
リバース・ゲート、あるいはリバース・リバーブについて言及されている記事は上の通り。MBVサウンドを解明するにはすべて必読級の資料です。
有力なソースとして、サンレコの記事には
「MBVサウンドに欠かせない伝家の宝刀=YAMAHA SPX900のリバース・ゲート技も炸裂っ!!!」
と書かれています。
REX50はSPX900等のラックエフェクターを、コンパクトにまとめたフロア型マルチエフェクターです。内容はほぼ同一。つまり、MBVと同じエフェクトを扱えるということ!
巷では、MBVやるならリバース・「リバーブ」という噂が立ち込めていますが、実際はリバース・「ゲート」で間違いないでしょう。今回の動画内でも両者を実践してみましたが、明らかにリバース・ゲートの方が近い音になっていることがお分かりいただけたかと思います。リバース・リバーブでも、それなりに雰囲気は出るとは思いますけれどね。
まとめ
①アームを持ったストローク
②ドライな歪み
③リバース・ゲート
この3点を意識することで、MBVサウンドを得ることができます。
全く同一のペダルを用いなくても、工夫次第で近しい音色を得ることも可能でしょう。
シューゲイザーの音作りは、理科の実験のようなものです。あれこれとペダルを繋ぎ変えながら、発見に満ちた音作りを堪能していただけたらと思います。
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