electro-harmonix BIG MUFF - ファズ界の王様!攻撃的なトーンから、シルキーでスムースなトーンまで…最もスタンダードな現行品をレビュー!
#12 electro-harmonix BIG MUFF
ファズ界の王様、BIG MUFFです。
多くのペダルフリークを沼に引きずり込んでいく、魅惑的なペダルのひとつです。
公式による派生品も、世界中のビルダーによるインスパイアモデルも、星の数ほど存在しているBIG MUFF。「気付けば、現行品に手を伸ばしていないなあ」という方も多いのではないのでしょうか。かく言う私もそのひとり。
せっかく機材レポートを始めた身なので、ここらで一度基本に立ち返り、現行品のBIG MUFFをレビューしていきます。
動画の補足
同じくファズに属するファズフェイスやトーンベンダーと比べて、低域がブーミーであること、高域がジリジリかつサラサラと歪む点が、BIG MUFFの特徴です。その歪みのキャラクターは、ファズというよりディストーション寄りと称されることもあります。
目の詰まったムチムチとした質感を生かしてあげるのが、美味しい使い方と言えます。かつては「サスティンは常にフルで」と考えていましたが、トーンと組み合わせることで、歪み過ぎずサスティンの長い太い音なんてのも作れることに気付きました。
モコモコしすぎる問題
BIG MUFFを使っていて多くの方が直面するのが、モコモコしすぎて音が抜けないという問題です。動画でもお分かりの通り、ブーミー加減を上手く調節してあげないと、「一体どう使えばいいのだ」という音になってしまうのです。
方法① TONEを上げる
手っ取り早いのはTONEツマミを右に回していくことでしょう。BIG MUFFのTONEは、左に回すほど低域が強調されブーミーな音に、右に回していくと低域が削れ、ジリジリとした高域が強調されていきます。
この「低域が削れていく」というのが考慮すべきポイントです。モコモコを嫌ってTONEを上げすぎると、スカスカでジリジリとしたラジオのようなサウンドになってしまいます。低域と高域それぞれの量がちょうど良いと感じられるスイートスポットを見つけることが求められます。
方法② 他のペダルとブレンド
TONEツマミの調節でしっくりこない場合には、前段に軽くブーストさせた歪みペダルを置くのも良い手です。
例えばBD-2をやや高域寄りのセッティングしてBIG MUFFをブーストしてあげると、極太のトーンの中に鋭さが足され、荒々しくもクリアなファズサウンドを出すことができます。単体で扱うよりさらに利便性が増すこと請け合いです。
組み合わせるペダルによって相性もあるでしょうが、前段にはギャリンと高域を立たせてくれるペダルを置きたいものです。BIG MUFFに足りないアタック成分を、程よく整えてくれるでしょう。
まとめ
大したワケもなく、なんとなーく現行品から遠ざかっていましたが、レギュラーラインのBIG MUFFもそこまで悪くないぞ、と再確認できました。設定やペダルの組合せによって、BIG MUFFのうまみを最大限に生かしたサウンドを作り出すことも十分可能です。
まずは現行品から使ってみる。その上で「こうしたい」「ああしたい」が出てきたら、様々なインスパイアモデルにチャレンジしていくのが良さそうです。
出発点として、通過点として、あるいは終着点として。
まさにBIG MUFF界のロードマップ的存在のペダルでした。
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